Shirube.

なんてことない毎日を。

18 Jan. 2015

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    私の包丁。料理も程々にしかしないし、包丁についてもど素人なうえにズボラであまり丁寧に扱ってないですが、それでも本当によく切れます。
 
    私の生まれた町は包丁が有名な町です。親戚も鍛冶屋で、その人たちのことは「鍛冶屋のおじちゃんおばちゃん」と呼んでいました。おじちゃんは亡くなり、もう親戚の家に鍛冶職人はいません。おじちゃんの兄弟が同じく鍛冶屋を営んでおり、今はそちらから仕入れて販売のみをしています。
    私が使っているのはおじちゃんが作った包丁です。昔から祖父も祖母も母も親戚の家の包丁を使っていたためか、私の中で包丁は地元のものでなくては嫌だという観念があり、実家に仕舞われていた包丁を貰いました。職場や友人の家にある他の包丁を使ってみたことももちろんありますが、やはり手に馴染まず、この包丁が一番しっくりきます。祖父は昔からお世話になった人にはこの親戚の包丁を贈っていました。私の周りにも配ってまわっていた記憶があります。祖父にとっても誇りあるものだったのでしょう。
 
    高価かどうかは関係なく、私の家で「1番良いもの」は何か?と問われたら迷わずこの包丁と答えます。伝統が詰まった工芸品を日用品として使う贅沢を、当たり前のように享受してきました。この町に生まれてよかった。今はこれ一つしか持っていないので、そのうち出刃包丁なども手に入れたいです。
 
 
 そういえば、黒米を食べるようになってから体調を崩さなくなりました。近頃季節の変わり目ごとに風邪をひくような調子だったのですが、今冬は元気です。